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ここでは、修辞技法の【擬人・擬物法】についてお伝えしていきます。 擬人法 では、まず擬人法からお伝えします。 技法：擬人法 読み：ぎじんほう 内容：動物、事物あるいは抽象概念を人間として表現すること 効果：表現方法のバリエーションを作り、表現の幅を持たせる こちらが擬人法の概要となります。 この修辞技法は「擬人」という名の通り、”人以外のものに使う”ことがポイントです。 この擬人法を使うことにより、生命を持たないものでもイキイキしている表現ができたり、読み手にイメージを湧かせやすくすることが出来ます。 それでは、具体的な内容や使い方を確認するために、いくつかの例を見てみましょう！ 【目が泳ぐ】 →（何かを追求されて）動揺している 【花がおどる】 →花が元気に咲いている 【風がささやく】 →優しい穏やかな風が吹く 【空が泣いている】 →雨が降っている※涙→水→雨というところから「泣く」と表現 【地球が泣いている】 →汚染、災害等地球がダメージを負う※地球がダメージを負い悲しんでいる様子から「泣く」と表現 【社会が病んでいる】 →社会全体の空気が悪く、本調子ではない 【ペンが走る】 →勢いよく文字を書く様子 もちろん、この他にもまだまだありますが、よく見かけるであろう一部を例としてご紹介しました。 このような擬人法をうまく使用することで、 「久々の晴天で花々が綺麗に咲いている」 ↓「久々の晴天で花たちもおどっている」 と情景がイメージがしやすくなると同時に、表現の幅が広がり、単調な表現を避けることが出来ます。 特にLPやSL、WEB記事などの長い文章では文章が単調になりやすいので、擬人法などのテクニックを使い、読み手が飽きないメリハリのある文章を書いていきましょう！ 比喩表現との違い 上記でご紹介した擬人法と似た修辞技法に、『比喩表現』というものがあります。 どちらとも”何かに例える”という表現柄、 「どう違うの？まったく同じじゃない？」 と思われる方もいるかと思いますので、ここでは比喩と擬人法の違いについてお伝えしておきます。 そもそも比喩表現とは、【何かを別のなにかに例える表現】です。 一方の擬人法は、『何かを人間として表現する（例える）』ことになり、人間という制限があるだけで、それ以外は全く同じなのです！ つまり、擬人法とは”比喩表現の一種”ということです。 もう少し具体的に言うと、比喩表現は大きく直喩・隠喩の２つに分けることができ、擬人法は隠喩の中に含まれています。 そして、隠喩は「〜のような」や「まるで〜」などがつかない比喩表現ですので、 『「〜のような」がつかず、人に例えている表現』＝擬人法 となるのです！ 「これはどちら隠喩か擬人法か？」 などが正確にわからなければいけないということはありませんが、比喩表現・擬人法ともに非常に使われる修辞技法ですので、ぜひ１つの知識として把握し、使いこなせるようになっていってくださいね！ 擬物法 次は擬物法です。 技法：擬物法 読み：ぎぶつほう 内容：人間や人間の動作・特性を物になぞらえて表現する技法 効果：表現方法のバリエーションを作り、表現の幅を持たせる 上記が擬物法の概要となりますが、すごく簡単に言ってしまえば、 ものを人に例える→擬人法 人をものに例える→擬物法 となり、”擬人法の逆”の逆となる修辞技法です。 こちらも例を見ると分かりやすいと思いますので、いくつかご紹介します。 【人がゴミのようだ】 →人々がごちゃごちゃしている（散らかっている）様子 【ダイヤモンドのように輝く瞳】 →ダイヤモンドを用いて輝く瞳を表している 【大黒柱】 →家や家族を支えている 【ロボットのように働く】 →黙々と同じ作業を繰り返し働いている様子 【子供の笑顔が元気の薬だ】 →子供の笑顔を見て元気が出る、落ち込んでいても元気になる様子 使いやすい例 目標となる人物に対し「〜のような人」という表現であれば、簡単ながらもよりイメージが湧きやすくなります。 【太陽のような人】 →人々の中心となり、暖かい雰囲気 【貝のような人】 →堅く殻を閉じている様子から、口が堅い、身持ちが堅い印象 【蛇のような人】 →執念深く、ねちっこい印象（あまりプラスのイメージではありません） 【時計のように正確な人】 →時間を厳守し、正確無比なキッチリとしたイメージ 【猫のような人】 →甘えるのが上手い、または気分屋な印象 いかがでしたか？ この擬物法に関しても無限に存在するので、上記の例はほんの一部となりますが、それこそ、 「彼女はこのお店一番の人気店員だ」 ↓「彼女はこのお店の看板だ」 というように人の様子を物に例えることで、表現の幅をもたせイメージがしやすくなります。 おそらく、擬人法よりは出現機会が限られてしまうかと思いますが、やはり単調な表現を避けることができますので、擬人法と合わせて覚えておいてくださいね！ ※ちなみにこの擬物法、正式には【結晶法】や【実体化】と言うなど少し曖昧な部分もあるのですが、ここではわかりやすく擬物法と表しています。 まとめ 以上が、擬人法・擬物法の解説となります。 この２つは比喩表現からさらに細分化させた内容となりますが、比喩の中でも非常に使うシーンの多い技法です。 商品をわかりやすく説明したり、販売者をどんな人かイメージさせたり、、 この例えが上手ければ上手いほど、読者は明確な想像ができ信頼へと繋がるでしょう。 また、実際のシーンでもよく使われます。 たとえば、就活や面接の際に なんて聞かれた経験がある方もいるかと思いますが、これも一種の擬物ですし、普段ライティングで書いていれば、パッと気の利いた一言で切り替えせて、好印象へと繋がるでしょう！ 読み手がイメージしやすい表現というのは、まさに『思わずスッと引き込まれる文章』が書けているということですので、是非そんなライティングをするためにも、習得してくださいね！